CyberManga開発者ブログ

サイバーマンガの開発の色々

1996年の気づき

Posted on 2011年1月18日 by 西野 公平

 

最初にも書きましたが、cybermanga.comは1996年に始まりました。その時初めてMacを買ったわけです。

その前にシャープのX6800を使った時代もあったのですが、残念ながらマンガの仕事に使うにはまだまだ性能が追いついていませんでした。Z’s STAFFとか使って頑張ってたけど、SFのモニタ画面ぐらいにしか使えなかったよなあ、熱転写プリンタだったし・・・。(オヤジ遠い目) 

仕事用に買ったのがPower Mac6300/120。当時は高かった・・・けど今見るとHDD1.2GB、メモリは64MBなのね。テクノロジの進歩は恐ろしい。 

そしてそれと別に、奮発して通信用に2台目として買ったのがモニタ一体型のPerforma5210でした。通信用にコンピュータを1台買うなんてお金持ちっぽい・・と思うかもしれないが、実は仕事用のマシンをネットに繋ぐのはウイルスやハッキングがあって危険かも・・・とその時は真剣に考えていたのだ。インターネットが普及し初めの頃・・・エロい写真が上からちょっとずつ現れてきて、全部表示するのに数分かかっていた時代だよ。(笑) 

そしてPerformaでホームページを作り始めたわけだ。(当時はWEBサイトなんて言わなかった)今は亡きページミルって言うAdobeのホームページ制作ソフトでね。そしてできあがったページを相棒のつぐみくんに見せたところ、最初の一言がこれだった。 

「で、どうすればテレビが見られるの?」 

ゲッ!

ショックだった。一生懸命作ったサイトを褒める前に、まずテレビの心配かい!

はっきり言ってかなりムッと来た・・・ 

・・けど、それと同時にハッと気がついた。

フツーの人にとっては、モニタもテレビ画面も同じものなんだ・・・。

確かに見た目はほとんど変わらない。だからつぐみくんは当然Performaでテレビが見られると思ったわけだ。だとしたら・・・ 

だとしたらこれからホームページやCGを作る時には、テレビがライバルになるんじゃん!

同じモニタ・・・ブラウン管で見る以上、フツーの人はテレビと比べる。・・・だからホームページでもCGでも、これから作るものはテレビを超えて行かなきゃダメじゃん! 

そうして見るとオレが作ったサイトはモノクロのマンガが載ってて、いかにも寂しかった。色もない、動きもない・・・。これじゃテレビに勝てるわけ無いな・・・。 

そう考えてサイトに載せるオリジナルのマンガはフルカラーにする事にした。当時唯一の方法だった(!)GIFアニメを使って動かした。そしてサイトを訪れる海外の人たちからキャラのアイデアや名前を募集して、参加できるマンガにもした。ただ動くカラーマンガじゃアニメになっちゃうからさ、PCならではの特性を生かさないとね。そうやって少しずつ紙のマンガとは別の表現方法を追求し始めたわけだ。

(ちなみにそのマンガ「花マルエンジェルス」は後にぶんか社からフルカラー、日英バイリンガルのマンガとして出版されたのだ。) 

 

15年たって、iPadが出て、初めてiPadアプリを出す事が出来た。色がついて、動いて、インタラクティブ要素が入っている・・・まさに1996年に考えたマンガがやっと作れるようになったわけだ。 

1996年のつぐみくんの一言から始まった変化は、これから本格的に動き出す。

次もすごくかわいくてくだらないネタを準備中。

何とか1ヶ月に1本はリリースして行く予定だからね。

温かく見守ってやってください。 

 

西野公平 

 

P.S. 以下は当時のサイトオリジナルマンガ「花マルエンジェルス」のコミックスの画像、そして実際に動かしていたGIFアニメの一部だ。すまん!この程度で「うわー!動いた!まるでアニメだ!」と騒いでいた自分が恥ずかしい。(笑)

f:id:cybermanga:20050715154758j:plain

f:id:cybermanga:20120308153303j:plain

f:id:cybermanga:20120308153314g:plain